親になる前に 〜児童虐待の要因と解決策について

経済的な問題と虐待の関連性

経済的な問題
経済的な問題と虐待の関連性

経済的な問題(=貧困)は虐待の背景として大きくかかわっている問題ですが、学校教育の中で経済的な問題を解消し予防することができるかというと、できません。リストラを防ぐ方法や誰もが正規就労できる方法など共通して言える正解はないに等しく、面接の指導や資格取得の指導などはできますが家庭科の教科教育とは全く違う分野のことです。

ですが、虐待との心理的な関連性を知識として知っておくことと、収入や失業、派遣労働の問題点、労働者の権利など経済的な活動全般にわたる知識があれば、貧困に陥らず助かることもあるかもしれない・・・。また貧困に陥っても、それが子どもに被害がおよばないようにはできるのでは・・・という観点で授業を構成しています。

まず、経済的な問題が児童虐待とどう関連するのかというと

  • お金がなくて、イライラして子どもにあたる。
  • 正規労働の職に就けない、もしくは多重債務に陥ったため、仕事のかけもちや長時間労働をすることになり、時間がなく子どもを放ったらかしにしてしまうなど。また心に余裕がなく、子どもにかまってやれない。
  • (西澤氏*1によると)自分が正社員に採用されない、リストラにあったなど、社会からひどい目に合わされて、自尊心を傷つけられている。その傷ついた自尊心を、言葉や体罰などの暴力によって子どもを支配し服従させることによって回復させる。

・・・支配や服従は誰にとっても快感にも似た感覚を得られますので、止めることができず、虐待がどんどんエスカレートしていってしまう可能性があるかもしれません。

  • お金がないために、人付き合いが悪くなり、親戚縁者とも疎遠になり、孤立してしまう。そのため子育てで困った時も頼る人がおらず、虐待に陥るケースも考えられる。
経済的な問題

・・・友人から飲み会の誘いがあっても断る、親戚で誰かが亡くなった時でも香典のお金がない、実家に帰る費用もないなど、お金のないことによって人付き合いも限定されてしまうことが、子どもに反映されてしまうということです。

こういった貧困と孤立の関係について次にくわしく説明します。

参考
*1 西澤哲 山梨県立大学教教授 児童虐待防止協会主催による特別セミナー『虐待をしてしまう親への関わり〜理解とその対応 パート2〜』2015年10月31日開催にて

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