親になる前に 〜児童虐待の要因と解決策について

周囲からの支援の減少

親準備性の問題
周囲からの支援の減少

ただ、子育てに不安があったとしても、身近なところにアドバイスしてくれる人や直接的に助けてくれる人がいれば、不安は解消・軽減されます。
ところが国勢調査によると家族類型別世帯員のその他の親族世帯(祖父母も含む家族)が1960年では34.7%でしたが、2005年には12.1%にまで減少しました。また、厚生労働省の人口動態統計(2010)によると離婚率が1960年では人口1000人に対して0.74であったものが、2003年には2.30と上昇し、2008年には多少下がって1.99となっています。(この離婚率に関しては、分母や対象者などによって、数字はいろいろ入れ替わることをご承知ください。)
1960年代の高度成長期時代に産業構造の変化に伴い、家族形態の変化が起き、地方において拡大家族が形成されていたものが、都会に就労先を求めた若者によって核家族が形成されました。拡大家族形態の中では、養育モデルがスムーズに継承され、“子育ては皆でするもの”でありました。ところが、都会で出生家族を離れて生活し、結婚・出産・育児を行う中で、母親は専業主婦となり、たった一人で子どもを養育することを強いられることになりました。父親は高度成長期からバブル時代に至るまで、早朝から深夜まで働くことを要求され、家族もまた、それを良しとし、当然子育てにかかわる時間も意欲も責任も感じず、『子どものことは母親の責任』と言って憚らない時代でもあったわけです。この時代に失われた養育力の伝承の代償と、核家族の中、専業主婦として、たった一人での育児を強いられることが今の母親の育児不安につながっているのではないでしょうか。

そういった不安を抱えた状況において子育てすることは、さらに何かが起こった時に不安定さが露呈し、一気にガタガタと崩れてしまう可能性があります。
例えば不安のない親は子どもがいわゆる“イヤイヤ期”に入っても、“そういうお年頃なのね”と鷹揚に構えることができます。ところが不安定さがベースにある親が子どもに“イヤッ”と自己主張されると自分に反抗しているように感じられ、子どもに腹が立ち、“躾”という名のもとに暴力を振るってしまう。

この不安定さは育児体験のない母親に当てはまりますが、それは父親として自信の持てない状況(母親の再婚相手や彼氏など)の男性にも当てはまります。

▲ ページTOPへ