親になる前に 〜児童虐待の要因と解決策について

愛着の形成

親準備性の問題
愛着の形成

次に、重要な知識は愛着の形成です。
ボウルビイによりますと、愛着は子どもの心の安全基地として機能し、乳幼児の発達にとって欠かせないものと言える。つまり親にとって、子どもとの愛着を形成できる能力が養育力の中でも欠かせない、子どもにとって必ず保障されるべきことがらである。その愛着の形成の出発点が、この親になる覚悟に起因するとボウルビイは述べています(Bowlby1986)。
また感情面で親になることに前向きであってはじめて、24時間365日、子どもからの働きかけに答えて、世話をし続けることに、向かっていくことができます。そこで形成されるべき愛着が、うまく形成されない場合の子どもに与える影響は、非常に大きいでしょう。

プライアらは、人間の乳児は、保護されるために養育者の後追いをするには無力で、しがみつくには弱すぎるように生まれている。乳児が欲求を満たす唯一の手段として持っているのは、苦痛を泣いて知らせることであり、それから後に援助はやがて来るということへの希望である。乳児のシグナルに気づき、乳児の欲求に注意を払う応答的な養育者を持つことは、生き延びるために不可欠なのであると述べています(Prior2008)。
つまり、愛着の形成がなされない場合、それは子どもにとっては重大な危機となり、子どもの成長に多大な影響を及ぼすのです。

赤ちゃんがオッパイ欲しいと泣いたら、オッパイがもらえる。
オムツがぬれたと泣いたら、オムツを替えてもらえる。
抱っこしてほしいと、甘えて泣いたら、抱っこしてもらえる。
こういった、周囲の大人からの働きかけが、24時間365日繰り返されることによって、愛着は形成されていく。

泣いても、誰も何もしてくれない、ということが繰り返されることによって、人に対して期待する心が失われ、人に対する信頼は育たない。人に対する愛着は形成されない、ということでもあります。
また、カンガルーケアの知識・・・つまり出産後、30分以内に始めて、できれば2時間くらい継続的に赤ちゃんを抱っこすると、母親に愛着のスイッチが入って、その後の育児がスムーズに行えるということも教えておきます。
この知識のあるなしは、育児に大きく作用することでしょう。

【参考資料】
Bowlby.J「母と子のアタッチメント」医歯薬出版 訳出1993
Prior.V、Glaser.D「愛着と愛着障害」北大路書房2008

▲ ページTOPへ