親になる前に 〜児童虐待の要因と解決策について

できちゃった結婚について考える

児童虐待を予防するための教育 2
〜できちゃった結婚について考える〜

“できちゃった結婚”は昨今、珍しくもなんともなく、多い県では40%(沖縄、佐賀など)で、少ない県(東京、神奈川)でも20%ができ婚らしいです。
ちなみに離婚率はでき婚の場合44%(全体では8%)で高くなっています。一説には十代のでき婚の離婚率は80%とも言われています。

“できちゃった”でも、結婚までこぎつけたとします。相手も自分もイイ年で、年貢の納め時と思えるような時期であれば良いのですが(今回はそういった結果オーライな場合は除きます)、男性も女性も年齢的にも精神的にも若い、まだまだ遊びたい年頃であればどうでしょうか。

生徒には「女子の場合、子どもがギャーギャー泣いてるけど、何で泣いているかわからない。抱っこしてもオッパイあげても泣き止まない。イライラしているところに、友達からラインで『今日合コン楽しみ!』とか、『ボーナスでブランド物のバッグ買った』ってメール来たら、どう?男子の場合、会社で飲み会誘われても、生活するだけで目一杯で、お金ないから断らないといけない。友達から誘われても、帰って子どもの風呂入れないとアカンから断る。友達からは“車買った”とか“合コンで彼女できてデート”とかって楽しそうなメール来るのに、自分はといえば、仕事で疲れ切って家に帰ったら、子どもがギャーギャー泣いてて、女房がキーキー言ってて・・・という状態でケンカせずに幸せな状態が保てる?疲れ切った挙句に子どもに当たってしまって、虐待してしまうのがオチ。若い時にでき婚して、良いことは何もない。一切ない。」と言い切っています。

“できちゃった”に至る経緯

では、どんなタイプの人が結果オーライではない“できちゃった”に至るか、について考えてみます。

◎学習意欲が低い
= 避妊などについて正確な知識を持とうとしない。

◎規範や社会のルールに対して意識が低い
= 結婚が先とか、子どもが先とかにこだわらない。
できちゃっても、困ったら中絶すればいいと思っていたりする。

◎先を見越した行動ができない 今の自分自身の状況を認識できない
= 結婚生活・育児を支えるだけの収入がない、また精神的にも育児に対して耐えられるくらいに成熟していない、なのに子どもができたら、できたで何とかなると思っている。

それから、厄介なのが

◎実は早く結婚して子どもをつくりたいと潜在的に思っている
= 若年でできちゃった結婚に至る場合、女性にこのタイプが良く見受けられる。
現在、自分が置かれている環境に不満がある。親も嫌い、もしくは親はいないか、いてもいないのと同じ。家には帰るのも嫌。
だから、自分で自分の家庭を作りたい。子どもができて、自分の家庭を作ったら幸せになれる、という“幻想”を抱いている。口をあけて待っていれば、誰かが幸せを放り込んでくれるような錯覚を抱いている。

“幻想” 現実からの逃避

家庭を作ったら幸せになれるという幻想

結婚しさえすれば幸せになれるなんて“幻想”であると、結婚して2年もたった人なら誰でもわかりますよね。
幻想でなく、実際に家族みんなが幸せであろうとすれば、多大な努力と自己犠牲が必要なものです。自分の幸せよりも、パートナーや子どもの幸せを第一に考えられる人だけが、結婚して子どもを持つことが許され、家族を幸せにすることができる。その結果、自分も幸せになることができるのではないでしょうか。
そういった努力や自己犠牲を精神的に未熟な人間ができるとは思えません。

さらに、幻想になってしまう理由に、自分の育った家が嫌だという人は“良い家庭の見本”を知らない、“ダメで嫌な家庭の見本”しか知らないということがあります。
子どもが帰りたくないと思うような家庭で、親が理想の子育てや家庭経営(食事の準備、洗濯、清掃、お金の管理など)をしていることは、当然ないでしょう。
知りもしないことは、できないのが普通の人間です。

例えば、家庭科の授業で1日に食べるべき野菜の分量を写真で示すと、『めっちゃ、多い』と皆ワーワー言います。皆、自分の家庭が規準で、よその家庭の子どもになったことがない。だから、何が正しくて、何がダメなのか判断しようがないのが、家庭の中のことだと思います。
(余談ですが、そこに家庭科教育の意義があると思っています。)

子育てには知識も経済力も必要

ただでさえ、子育ては大変です。落ち着いた年になってから結婚して、社会経験も豊富にあり、子育ても本やネットでいっぱい勉強し、病院や保健所などの子育て講座も受講している。
筆者もそんな一人でしたが、実際はうまくいかないことも多くて大変でした。どんなに知識があっても大変なものは大変、というのが子育てではないでしょうか。なのに何も知りもしないで、上手くいくでしょうか。

愛情があれば大丈夫、と言う人がいます。
忍耐強く、犠牲的精神にあふれた“ものすごく人間のできている人”なら、経済力も知識もなくても可能でしょうが・・・・。

“自分の育った環境は、よくない環境なので、良い例をたくさん知って、いっぱい勉強してから、親になろう”という自覚があるなら、大丈夫。多少できないことはあっても、前向きに乗り越えていけるでしょう。
ところが、そういった自覚もない、もちろん知識もなければ、経済力もない、親に求められる忍耐力や子どものすべてを受け止める力もない。
そんな状態で“幸せな家庭”は実現するでしょうか。

自分が親になって、子どもを幸せな状態で育ててやれるのか、経済的にも精神的にも大人になってから親になるべきである、という視点を妊娠前の、もっと言えばパートナーと出会う前の生徒に、しっかり伝えたいところです。
出会ってからでは遅い!です。

経済力や知識

また、ここで必要なのは、自分の現在置かれている状況の把握です。親子が暮らせる家の家賃はいくらか、光熱費はいくらか、紙オムツ代は月にいくらか・・・。高校生が中退して得られる給料はいくらか。仮に卒業して就職してからの給料はいくらか、25歳になった時の給料はいくらか。30歳ではどうなるか。そういった家庭の経済的な基盤に関する認識を持たせます。
さらに、どういう状態なら結婚して子どもを育てることが可能になるか。就職して数年たって共稼ぎなら何とかなりそう、となったら家事も育児も自分が半分分担する覚悟が必要・・・ということを自分で考えさせながら、答えを導きだしていきます。

幸せな家庭で幸せな子どもが育つ。それがあたりまえ、という日本でありたいし、世界でありたいものです。

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